Top > 住まいのコラム一覧 > 土地の探し方・選び方 失敗しない土地探し 家を建てる 成功の鍵 VOL.9
一級建築士が解説!
イエタッタカウンター利用者の約70%が土地探しからの家づ
くりとなっている。相談の中で「土地探しと住宅会社探しどち
らが先かわからない」といったものが多く、また「住みたいエリ
アに理想の土地がない」といった悩みも多い。みなさん土地
の探し方も選び方もわからず戸惑っているため、今回は土地
の探し方・選び方のポイントを解説します。
家づくりにおいて土地探しは、切っても切れないもの。よくある失敗例は、良い土地を選びすぎて建物に掛けられる予算がなくなってしまうことや、建物を立派にしたいから利便性や安全性が低い土地しか選べないことが挙げられます。予算配分がどちらかに偏り過ぎるとよくないので、土地と建物のバランスの取れた家づくりが成功の鍵と言えるでしょう。 成功する家づくりのためにまず必要なのが、土地の契約の流れを知ることです。土地の契約手続きは煩雑で、不動産会社、住宅会社、金融機関(住宅ローンの場合)と同時にやり取りしなければいけません。手続きの中で現金での支払いが伴うため、計画的に自己資金を用意しておかなければ欲しい土地が見つかっても買えないでしょう。 土地探しは不動産会社に手伝ってもらうというイメージがありますが、実は住宅会社のサポートが無ければ確認しきれないことがあります。その確認を怠ると、工事する際にコストアップになったり、希望する間取りが入らなかったり、家づくりの失敗につながるかもしれません。 近年、地震や水害といった自然災害が増加しています。いくら災害に強い家を建てても、地盤次第では被災してしまう可能性があるでしょう。これらのデータはある程度web上で調べることができますが、実際に暮らすまちの様子は現地に足を運ばなければわからないことも多いです。 このように土地探しで押さえるべきポイントは様々あります。どのようなことに注意すべきか各項目をご確認ください。
土地探しでおさえるべきポイント
1.土地の契約の流れを把握しよう
土地購入の際、契約時に現金で契約手付金の支払いが必要です。決まりはありませんが、一般的には売買金額の5~10%と言われています。支払い後、宅建士による重要事項説明を受け、契約手続きを行います。売主の意向にもよりますが、契約後1~2カ月で土地の引渡になり、引渡日に契約手付金を除いた残金の支払いが必要です。残金を住宅ローンで支払いたい場合、それまでに住宅ローンの本審査を終え契約しておかなければいけません。土地を契約してからは時間が無いので注意して下さい。ちなみに、仲介手数料については不動産会社の意向により支払うタイミングが異なります。
2.住宅会社といっしょに探そう
不動産会社と住宅会社は連携を取ることが多く、住宅会社に情報が集まりやすい構造になっています。不動産情報サイトに掲載される前に、連携の部分で売買される土地も珍しくありません。工事に関する土地のリスクについては不動産会社より住宅会社の方が詳細に確認や検討ができるため、住宅会社の協力を得た方がスムーズに見つかるでしょう。また、土地契約の流れにもある通り、住宅ローンの審査は原則として土地と建物の総額で出さなければいけません。希望の家の概算金額の把握や必要書類の準備の観点からも、住宅会社の協力は必要不可欠です。
3.地図や歴史を参考に地盤を調べる
正確な土地の地盤強度は現地での実測でしかわかりません。原則、現地実測は土地の購入後でしかできないため、いくつかの情報から推測するのが一般的。代表的なのは、住宅会社を通じて地盤改良会社に近隣の調査データを調べてもらい判断する方法です。他にはインターネットを使って自治体の出しているハザードマップや、地盤調査会社が出す地盤マップで災害リスクを確認することができます。また古地図の地形や地目から過去の地盤の状態を見るのも有効です。都市の歴史は災害との戦いを繰り返してきたため、昔から町があるところは安全性が高い傾向があります。
4.現地を複数回見よう
気になる土地が見つかれば、必ず現地を見に行ってください。まちは生き物のように時間や曜日によって様子が変わるため、平日と休日や朝昼晩、ごみの日等、複数回見ることでそのまちの様子がよくわかるはずです。不動産情報上は最高の土地でも、近隣の住人の様子や面倒な町会ルール、通勤時にやたらと混む道等、現地を見なければ見つけられない落とし穴があるかもしれません。土地は申込順で優先的に購入者が決まり、契約前の仮押さえは数日しかできないため、時間との戦いになります。土地情報が無くても、事前に住みたいエリアをドライブや散歩をして、情報収集してもいいかもしれません。
解説:一級建築士 鶴見哲也
1986年石川県かほく市出身。新潟大学大学院修了後、金沢市の設計事務所や住宅会社で8年半建築設計業務に従事。2019年(株)ミライエ・カンパニーに転職し、メディアの立場から家づくりをわかりやすく、失敗しないようサポート。イエタッタカウンターでは勉強会や個別予約で直接相談可能